≫ 親の介護を他人にまかせるのは親不孝??
家族でできる介護の限界
『えっ、お母さんが階段で転んだ・・・??』介護の問題は突然ふりかかってくることも多く、これまで経験したことのない家族は動揺してしまいます。本能的に親の介護や日常生活の世話は家族がするものだと思ってはいますが、介護をする家族としてはぞれぞれの事情があります。共働きの家庭も増えていますし、核家族化も進み、介護をする兄弟も少ない・・・。
様々な時代の変化から、より一層、家族のみでの介護の負担は大きくなっていく一方です。家族だけで親の介護ができるのであれば、それに越したことはありません。しかし、それを生涯続けることができる家族は、そう多くはありません。介護のことで家族以外の支援を受けるタイミングは、人それぞれ異なります。
役所から『あなたは介護で大変そうですから、介護保険のサービスを利用してください』と積極的に働きかけてくれることはありません。あくまで利用者、家族からの申請によって、サービスが受けられるのかが判断されます。
介護保険を利用しようか迷っている方の多くは『これくらいの状態で利用できるのかしら?』と思われます。また自分が楽をする為に、親の介護を他人に任せるのは『なんだか悪い気がする・・・。』という感情も生まれるでしょう。こういった事から行き詰まるまで、家族だけで介護を頑張ってしまうのです。
はたして、介護を他人にお願いするのは悪いことなのか??そうお悩みの方に私がいつも話しているのは、次のことです。『介護保険のサービスを利用してからの親への関わり方で、全く違ってきますよ!』
介護保険のサービスを利用すると、介護をしていた家族に次のような変化が生じます。
● 時間的な余裕が生まれる。
● 体力に余裕がでてくる。
● 気持ちに余裕が生まれる。
この余裕を、何に使うかで大きく変わるのではないでしょうか?
例えば、
● 親を温泉旅行に連れて行く。
● 週末は親と一緒に食事をする。
● スーパーへ一緒に買物に行く。
などなど。これまでなら『そんなことしている余裕はない』と思っていたことが、負担も少なくできるようになります。親子の関係が『介護』だけでつながっているのは、大変つらいことです。ついカッとなって『顔も見たくないっ』となることもあるでしょう。
しかし、親と買物や旅行に行ったり、食事をしたりなど、楽しい時間が共有できるのであれば、親子の関係も必ず良い方向へと向かっていくでしょう。「家族にしかできない事」、「介護事業所でもできる事」を上手に使い分けることで、家族が皆、幸せな人生を歩めるものだと思います。